ついに始まった甲子園大会! 開会式は緊張感ある独特な雰囲気だった(第100回 夏の甲子園~全国大会~)

 第100回 全国高等学校野球選手権記念大会が8月5日(日)から21日(火)まで、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で行われました。

 第100回大会の開会式が、大会1日目の8月5日(日)に行われました。

 開門はなんと朝の6時!?(私が知る限り最速)私は7時に手荷物検査を受け球場に入ると、既に席は多くの人で埋まっている状態でした。
 一応、1塁側特別自由席の後方の中央より(朝から日陰になる部分)の席を探してみると、1席だけ空いていました!?

 そこからは、開会式が始まるまでの独特な雰囲気を楽しみました。

 9時になると、ついに開会式が始まります。まずは、選手たちの入場行進
 行進を先導するのは、第1回から今回までかかさず参加してきた15校の主将たち、国旗・大会旗・歴代優勝校の旗・出場校のプラカードを持つのは甲子園の地元・西宮高校の皆さん。西宮高校の皆さんは、31回大会からこの開会式を支えてきたそうです。

 北海道から沖縄までの出場校、今大会は記念大会のため、例年より多い全56校が出場の入場行進を楽しめました

・北北海道代表:旭川大(9年ぶり8回出場。私立)
・南北海道代表:北照(5年ぶり4回出場、私立)
・青森県代表:八戸学院光星(2年ぶり9回出場、私立)
・岩手県代表:花巻東(3年ぶり9回出場、私立)
・秋田県代表:金足農(11年ぶり6回出場、県立)
・山形県代表:羽黒(15年ぶり2回出場、私立)
・福島県代表:聖光学院(12年連続15回出場、私立)
・茨城県代表:土浦日大(2年連続4回出場、私立)
・宮城県代表:仙台育英(2年連続27回出場、私立)
・栃木県代表:作新学院(8年連続14回出場、私立)
・群馬県代表:前橋育英(3年連続4回出場、私立)
・北埼玉県代表:花咲徳栄(4年連続6回出場、私立)
・南埼玉県代表:浦和学院(5年ぶり13回出場、私立)
・東千葉県代表:木更津総合(3年連続7回出場、私立)
・西千葉県代表:中央学院(初出場、私立)
・東東京都代表:二松学舎大附(2年連続3回出場、私立)
・西東京都代表:日大三(5年ぶり17回出場、私立)
・北神奈川県代表:慶応(10年ぶり18回出場、私立)
・南神奈川県代表:横浜(3年連続18回出場、私立)
・新潟県代表:中越(2年ぶり11回出場、私立)
・長野県代表:佐久長聖(2年ぶり8回出場、私立)
・山梨県代表:山梨学院(3年連続8回出場、私立)
・静岡県代表:常葉大菊川(2年ぶり6回出場、私立)
・東愛知県代表:愛産大三河(22年ぶり2回出場、私立)
・西愛知県代表:愛工大名電(5年ぶり12回出場、私立)
・岐阜県代表:大垣日大(2年連続5回出場、私立)
・三重県代表:白山(初出場、県立)
・富山県代表:高岡商(2年連続19回出場、県立)
・石川県代表:星稜(2年ぶり19回出場、私立)
・福井県代表:敦賀気比(3年ぶり8回出場、私立)
・滋賀県代表:近江(2年ぶり13回出場、私立)
・京都府代表:龍谷大平安(4年ぶり34回出場、私立)
・北大阪府代表:大阪桐蔭(2年連続10回出場、私立)
・南大阪府代表:近代付(10年ぶり5回出場、私立)
・東兵庫県代表:報徳学園(8年ぶり15回出場、私立)
・西兵庫県代表:明石商(初出場、市立)
・奈良県代表:奈良大付(初出場、私立)
・和歌山県代表:智弁和歌山(2年連続23回出場、私立)
・岡山県代表:創志学園(2年ぶり2回出場、私立)
・広島県代表:広陵(2年連続23回出場、私立)
・鳥取県代表:鳥取城北(3年ぶり5回出場、私立)
・島根県代表:益田東(18年ぶり4回出場、私立)
・山口県代表:下関国際(2年連続2回出場、私立)
・香川県代表:丸亀城西(13年ぶり5回出場、県立)
・徳島県代表:鳴門(2年ぶり12回出場、県立)
・愛媛県代表:済美(2年連続6回出場、私立)
・高知県代表:高知商(12年ぶり23回出場、市立)
・北福岡県代表:折尾愛真(初出場、私立)
・南福岡県代表:沖学園(初出場、私立)
・佐賀県代表:佐賀商(10年ぶり16回出場、県立)
・長崎県代表:創成館(3年ぶり2回出場、私立)
・大分県代表:藤蔭(28年ぶり2回出場、私立)
・熊本県代表:東海大星翔(35年ぶり2回出場、私立)
・宮崎県代表:日南学園(2年ぶり9回出場、私立)
・鹿児島県代表:鹿児島実(3年ぶり19回出場、私立)
・沖縄県代表:興南(2年連続12回出場、私立)

 これまで61校がこの全国高校野球選手権で優勝していますが、そのうちの12校が今大会には出場しました。

 選手たちがセンターに整列し、そこから内野グラウンドまで一斉に前進してくる様子は、圧巻!? の一言!!

 内野グラウンドに整列すると、国旗・大会旗掲揚が行われ、大会歌「栄冠は君に輝く」が演奏されました。

 その後、渡辺 雅隆・大会会長(朝日新聞社社長)の挨拶がありました。

皆さん、おはようございます。ただいまより、第100回全国高等学校野球選手権記念大会を開会します。皇太子殿下、妃殿下、御臨席のもと、開会式には全国3,781チームを代表して、史上最多の56校が、ここ、阪神甲子園球場に集いました。皆さん、出場おめでとうございます。そして、今日はこれまでに100回、各地の地方大会にかかさずに出場をしてきた26県の15校の野球部主将たちも参加してくれました。7月上旬、西日本を襲った豪雨は大きな被害をもたらしました。被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げますとともに、1日もはやい復旧・復興をお祈りいたします。困難な状況を乗り越えて、やってきた被災地の選手たちをたたえ、大会を支えてくださった多くの皆さんへの感謝をこめて、大きな拍手を送りたいと思います。この大会は1915年(大正4年)野球少年の思いを大人たちが受け止めて始まりました。本来なら104回となるべきこの大会が、今年100回を迎えているのは、先の大戦による中断があったからです。少しだけ過去に思いをめぐらせて見てください。戦前、台湾、朝鮮半島、旧満州からも代表チームが参加していた時代がありました。戦時中は戦地に送られ、命を落とした球児も数多くいました。大会は戦後、1946年(昭和21年)に再開され、その2年後に、大会歌「栄冠は君に輝く」が誕生しました。「雲は湧き、光溢れて」で始めるこの歌は、文字通り光溢れる平和の中で、野球に打ち込む選手たちへのヒサンカ(?)として長く歌い継がれてきました。作詞したのは石川県根上町、現在の能美市出身の加賀 大介さんです。加賀さんは野球少年でしたが、16歳の時、プレー中の怪我がもとで足を切断し、野球を諦めます。加賀さんが亡くなった翌年、1974年に同じ根上町で生まれ、後に甲子園や日米の野球界で大活躍をした松井秀樹さんが今日、加賀さんの思いを受け継ぐかのように始球式のマウンドに立ちます。今大会ではここに並んだ9つの白球を使って、各地のマネージャーや小学生らが99回の始球式リレーを行ってくれました。100人目が松井さんです。私たちは、時代をこえ、地域をこえて、野球への思い、平和の中で野球ができる喜びを受け継ぎ、次の世代につないでまいります。最後になりましたが、厳しい暑さの中、大会を運営していただく審判員の皆さん、球場関係者の皆さん、今年もどうぞよろしくお願いします。司会、プラカード、ブラスバンド、合唱の高校生たちも懸命に練習を重ねて、この日を迎えてくれました。そして、何よりも全国から大勢の観客、応援団を迎える地元、兵庫県西宮市の皆さんのご協力にも心より感謝を申し上げます。高校野球を愛する全ての皆さんとともに、今大会を新たな100回への幕開けにふさわしい大会とすることを誓いまして、開会の挨拶といたします。ありがとうございました。健闘を祈ります。

 次に、優勝旗返還が行われ、昨年の優勝校・花咲徳栄が優勝旗を返還、レプリカが贈られました。

 皇太子殿下からの御言葉

挨拶に先立ち、この度の平成30年7月豪雨により、亡くなられた方々に深く哀悼を意を表しますとともに、ご遺族と被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。被災地の復旧が1日もはやく進むことを願っております。第100回という記念すべき節目を迎えた全国高等学校野球記念大会の開会式に、出席できることをうれしく思います。時代を担う若者がスポーツを通じて、自らを鍛え、スポーツマンシップを養うことは、とても大切なことであり、これまで1世紀にわたり、青少年の夢を育み、国民の大きな関心を集めてきた、高校野球が果たしてきた役割には大きなものがあります。私の高校野球の最初の記憶は、第50回記念大会の決勝戦、大阪の興国高校と静岡商業高校の試合でした。1対0という白熱した投手戦をよく覚えています。それ以来、50年にわたり高校野球を身近なものとして感じて、応援してきましたし、第70回と第90回大会では、開会式に出席し試合を観戦して、長きにわたる高校野球の歴史の一部をこの目で垣間見る機会を得られたことは、とてもうれしいことでした。その度に、選手や応援団、観客や運営に関わる方々、さらには、選手たちを受け入れる地元の方々のひたむきな取り組みによって、高校野球が育てられていることを、強く感じることができました。1世紀に長きにわたる皆さんの努力に対し、敬意を表します。あわせて、選手の皆さんが試合を通して大きく成長されている様子もうれしく思っています。選手の皆さんには、日々、鍛錬を積み重ね、母校の、そして、ふるさとの期待を担って、ここ、甲子園に集いました。今日までの練習の成果を十分に発揮し、力の限りプレーすることを期待しています。同時に、暑い最中の試合となりますので、プレーする選手の皆さんも、応援する方々も、くれぐれも体調の管理には気をつけてください。この大会が多くの球児の活躍の場となり、国民に親しまれながら、さらに大きく発展することを願うとともに、選手の皆さんのご健闘を心からお祈りし、挨拶といたします。

 林 芳正・文部科学大臣からお祝いの言葉。

はじめに、平成30年7月豪雨によってお亡くなりになられた方々に深く哀悼を表しますとともに、ご遺族と被害にあわれた方々に心からお見舞い申しあげます。本日、ここに、皇太子、同妃(?)両殿下の御臨席をあおぎ、第100回全国高等学校野球選手権大会が盛大に開催されますことを心からお喜びを申し上げます。本大会は大正4年に第1回大会が開催されてから100回目の記念すべき大会です。先輩方が郷土の期待と誇りを胸に、全力、ひたむきにプレーする姿が日本中に感動を与え、いまやスポーツの枠を超えた国民行事となっております。全国各地の激戦を経て、甲子園出場を果たされた皆さん、本当におめでとうございます。これまで支えてくださったご家族、母校、郷土の方々への感謝の気持ちを忘れず、全国の高校球児の代表として、フェアープレー精神のもと、相手や仲間を尊重し、努力の成果を発揮してください。また、全国から集まった仲間たちとの交流を深め、生涯にわたってスポーツを親しむ豊かなスポーツライフを実現することを願っています。また、選手はもとより、応援される生徒や観戦される皆さんにおかれましては、熱中症の防止と体調管理に十分に留意をされますことをお願いいたします。大会の主催者をはじめとする関係各位におかれましても、熱中症等、事故の防止に万全の対策を講ずるようをお願いをいたします。結びに、本大会の開催にご尽力をされた、公益財団法人日本高等学校野球連盟、及び、株式会社朝日新聞社をはじめとする多くの関係の皆様に敬意と感謝の意を表しますとともに、本大会の成功を記念して、お祝いの言葉といたします。皆さん、頑張ってください。平成30年8月5日、文部科学大臣、林芳雅。

 大会審判委員長の八田 英二・日本高等学校野球野球連盟会長の挨拶。

おはようございます。憧れの阪神甲子園球場の整備された黒土や、色鮮やかな緑の芝の上を堂々と行進された皆さんの姿には、厳しい練習で培われた自身、この場に立つことができた誇らしさが漲っていました。暑い日も寒い日も、時には雨が降り、風の吹く日も、皆さんは青春を白球にかけてきました。そうして、培った若い力をこのグラウンドで余すことなく発揮してください。第1回全国中等学校優勝野球大会が開かれたのは、1915年(大正4年)のことでした。大会は戦争による中断などを乗り越えて、今日、第100回という歴史に残る日を迎えました。この100回を記念して、深紅の大優勝旗が新調されました。初代のものから数えて、3代目となるものです。ユウショある西陣織で多くの職人の方々が真心と1年以上の歳月をかけて織り上げてくださいました。皆さんが目指すのは、夢にまで見たこの旗です。グラウンドではつらつとしたプレーをする皆さん、一人ひとりがこの特別な夏の主人公です。そして、全国の地方大会に参加した15万人を超える高校球児の夢と情熱がこの大会を支えています。地震や豪雨、台風など、大会前には各地を災害が襲いました。被害にあわれた方々には心からお見舞いを申し上げます。グラウンドに立つ皆さんには、野球ができる喜びを、改めて噛み締めていただきたいと思います。今こそ、チャンス、この大会に出場できたことに感謝して。チャレンジ、力の限り挑み。チェンジ、将来に向かって自分を変えていってください。仲間を信じて全員で進めば、想像を超えた力が必ず生まれます。鍛え上げた技と力の全てをそれぞれのプレーに込めてください。ゴーフォーイッツ、健闘を祈ります。

 近江高校中尾 雄斗主将が選手宣誓を行いました。

宣誓 私たち、今、100回という長く重みのある歴史の上に立っています。数多くの災害に見舞われ、人々にとって笑顔だけでは乗り越えることができない悲しみがありました。しかし、甲子園は勇気、希望を与え、日本を平和にしてきた証です。ここ、甲子園の舞台でプレーされた偉大な先輩方を誇りに思い、私たちは今、100回目の甲子園を迎えようとしています。私たち選手一同は、第100回という記念すべき年に、野球ができることに感謝し、多くの人々に笑顔と感動を与えられる、最も熱い本気の夏にすることを誓います。平成30年8月5日、選手代表、近江高等学校野球部主将、中尾雄斗。

 最後に、大会歌にあわせて選手たちが退場し、開会式が終わりました。

 演奏は、関西吹奏楽連盟関西合唱連盟の皆さんでした。