投手戦で白熱した点の奪い合いになった、第90回センバツ「彦根東 – 慶応」(2回戦)

 第90回記念 選抜高等学校野球大会が3月23日(金)から4月4日(水)まで、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開催されました。

 今年は第90回の記念大会ということから、出場校が例年より4校多い36校が出場。

 3月28日(水)(大会6日目)の第1試合は、2回戦彦根東(滋賀) – 慶応(神奈川)」の試合が行われました。
 両校とも今大会初戦。彦根東は先攻(一塁側)で、9年ぶり4回目の出場。これまでの選抜大会では0勝3敗、全国高校野球選手権大会には2回出場し1勝2敗。慶応は後攻(三塁側)で9年ぶり9回目の出場。これまでの選抜大会では5勝9敗、全国高校野球選手権大会では17回出場し、優勝1回、準優勝1回し、14勝15敗。

 試合開始前に始球式が行われました。

 彦根東は1回表、2者連続三振で2アウトになると、朝日選手がこの試合初のヒットを放ち1塁へ。続く野嵜選手もセンターヒットで続き、2アウトランナー1・2塁のチャンスにするも、2塁ランナーの朝日選手が盗塁失敗でチェンジ(彦 0 – 0 慶)
 1回裏の慶応は、先頭の宮尾選手がフォアボールで1塁へ出塁。続く吉川選手は送りバントを決め、1アウトランナー2塁のチャンスににするが、後続が三振、ファーストゴロと抑えられ、先制点はできず(彦 0 – 0 慶)

投手戦で、どちらも得点を許さない

 2回表の彦根東は、サードゴロ、ピッチャーゴロ、三振と三者凡退に(彦 0 – 0 慶)
 慶応の2回裏は、レフトフライ、三振と2アウトになるが、続く石田選手がライトヒットで1塁に。そこから2塁へ盗塁の際、守備の悪送球でランナー3塁のチャンスになる。しかし、続く善波選手は三振に倒れ、先制点のチャンスを逃がす(彦 0 – 0 慶)
 彦根東は3回表もサードゴロ、ショートゴロ、ショートゴロと三者凡退に倒れる(彦 0 – 0 慶)
 慶応の3回裏は、レフトフライ、ファーストへのフライ、三振と三者凡退(彦 0 – 0 慶)

 4回表の彦根東は、先頭打者の今井選手がセンターへヒットを放ち、0アウトランナー1塁にするが、後続がショートライナー、ファーストフライ、セカンドライナーと抑えられる(彦 0 – 0 慶)
 慶応の4回裏は、先頭打者の関選手はサードゴロに倒れるが、続く下山選手はフォアボールで出塁(1塁)。しかし、奥村選手はダブルプレーを取られ、3アウトチェンジ(彦 0 – 0 慶)
 彦根東の5回表は、先頭打者・高内選手がレフトヒットで1塁に出塁すると、続く川嶋選手は送りバントをし、守備のエラーでランナー1・2塁のチャンスをつくる。しかし、後続がスリーバント失敗、2塁ランナーの高内選手が塁を飛び出しアウトになり、2アウト。続く永井選手はサードゴロで得点できず(彦 0 – 0 慶)
 慶応の5回裏は、先頭の大川選手がライトヒットで出塁(1塁)。その後、ランナー2塁のチャンスにすると、石田選手の送りバントで1アウトランナー3塁のチャンスに広げ、先制点のチャンス。しかし、その後が2者連続三振で得点には至らず(彦 0 – 0 慶)

 6回表の彦根東は、1アウトランナーなしの場面で、今井選手がサードへの内野安打で1塁へ出塁。さらに、続く朝日選手も内野安打でランナー1・2塁にした後、さらに1アウト満塁のチャンスに広げる。そして、山岡選手がセカンドゴロで彦根東が1点先制(彦 1 – 0 慶)。さらに、2アウトランナー1・3塁のチャンスにするが、後続は抑えられる。この回、彦根東が先制し、ついに試合の均衡が破られる(彦 1 – 0 慶)

 先制を許した慶応の6回裏は、先頭打者・宮尾選手がフォアボールで出塁(1塁)。その後、2アウトランナー3塁のチャンスにするが、最後は下山選手がサードフライに倒れ、同点に追いつけない(彦 1 – 0 慶)
 彦根東の7回表は、先頭の高内選手がレフトヒットを放ち、0アウトランナー1塁とする。その後、2アウトランナー1・3塁のチャンスにするも、宇野選手は三振に倒れ、追加点が奪えない(彦 1 – 0 慶)
 慶応の7回裏は、先頭の奥村選手がフォアボール(彦根東の投手は7つ目のフォアボール)で1塁に出塁。続く大川選手はライトヒットでランナー1・2塁にすると、石田選手はフォアボールで満塁のチャンスに!? 続く善波選手はレフトヒットを放ち、2点入れ逆転に成功(彦 1 – 2 慶)! その後は、三振、ダブルプレーでチェンジになるがこの回、慶応が試合をひっくり返す(彦 1 – 2 慶)

慶応が反撃し、彦根東と点の奪い合いに

 逆転された彦根東は8回表、先頭の今井選手がショートゴロに倒れるが、続く朝日選手はセンターへ3塁打を放つ。その後、2アウトランナー1・3塁の場面で、高内選手が3ランホームランを放ち、逆転!?(彦4 – 2 慶) 再びリードを奪う展開に。


 再び追う展開になった慶応は8回裏、先頭の吉川選手がフォアボールで出塁。2アウトランナー1塁の場面で、奥村選手がレフトへの長打ヒットを放ち、1点を返す(彦 4 – 3 慶)。その後は、ランナー2塁と同点のチャンスだったが、三振に抑えられる(彦 4 – 3 慶)

 1点差に詰め寄られた彦根東は9回表、1アウトランナーなしから永井選手がセンターヒットで1塁に出塁。続く宇野選手は送りバントを決め、2アウトランナー2塁のチャンスにするも、今井選手はセンターフライに倒れ追加点を奪えず(彦 4 – 3 慶)
 同点に追いつかなければ負けが決定する慶応の9回裏は、ライトフライ、サードゴロ、三振と抑えられ、試合終了(彦 4 – 3 慶)
(彦=彦根東、慶=慶応)

 彦根東が4 – 3で慶応に勝利しました。

 試合は取った取られた、逆転の逆転――接戦で投手戦な展開で白熱しました。

 一塁側の彦根東の応援(アルプス)は真っ赤! 白と青のポンポンと、赤一色がすごかった。三塁側の慶応の応援(アルプス)は迫力がありました。

 試合の合間には、内野の電光掲示板に各校への応援メッセージが紹介されていました。
・彦根東への応援メッセージ:「一回戦突破目指して頑張って下さい。今後の近江との対決を楽しみ」、「今春も、赤揃え旋風!巻き起こして下さい」、「文武両道はカッコ良すぎです!!アルプスから応援してます!
・慶応への応援メッセージ:「やっと掴んだ甲子園への切符 楽しんで笑顔で帰ってきてください」、「慶応のみなさんがんばってください!応援しています!」、「晴れの舞台で好きな野球を楽しんで下さい。スタンドに行きます。

 9時03分に始まり、11時10分に試合終了。観客数は32,000人。