本『野球ノートに書いた甲子園』(高校野球ドットコム編集部)

 高校生の野球大会には、春季大会、選抜高等学校野球大会、全国高等学校野球選手権、秋季大会、国体、明治神宮野球大会など様々な大会があり、選手たちだけでなく、多くの関係者や観客が、高校生の野球を楽しんでいる。
 高校野球は負けたら終わりというあの独特な熱い想いから、一生懸命なプレーとなり感動が生まれる。そのプレーの背景には、選手たちの懸命の練習があり、監督と選手たちが切磋琢磨しながら野球にかけている。
 その野球への取り組みに「野球ノート」を取り入れている高校があり、その野球ノートを取り上げて紹介しているのが、この本。

 野球をうまくなるためだけではなく、人生にもつなげているところもあり、そうした熱い想いが「野球ノート」に盛り込まれており、本書はまさにその想いが紹介されていた。
 監督や選手たちの様々なやり方の「野球ノート」が紹介されており、単なる手法だけではなく、熱い想いも伝わってくる内容になっている。そのため、高校野球の独特な雰囲気が味わいたい方も面白く読めるのではないだろうか。

 2018年1月現在、「野球ノートに書いた甲子園」(高校野球ドットコム編集部)は1~5まで出ている。

○「野球ノートに書いた甲子園
・高川学園高校「野球ノートに書いた甲子園」
・小山台高校「日本一、心をもった日誌」
・弥栄高校「成功するノート」
・千葉経済大学附属高校「足りないものを帽子に秘めて」(コラム)
・日本大学鶴ヶ丘高校「笑鶴」(コラム)
・日本文理高校「自分だけの「野球の教科書」」
・春江工業高校「失敗ノート」

○「野球ノートに書いた甲子園2
・長野西高校:「野球ノートに書いた甲子園」
・履正社高校:「頂点へと続くノート」
・小山台高校:続「日本一、此処ををもった日誌
・前橋育英高校:「父と作るノート」
・須賀川高校:「捨てるノート」
・高岡・窪川・中村高校西土佐分校・城山4校連合チーム:「野球ノートに書けなかった甲子園」(特別コラム)

○「野球ノートに書いた甲子園3 流した汗は、グラウンドだけではない
・佐賀北高校(佐賀県):「日本一、心がぶつかり合う日誌――記憶の鎖となれ」
・健大高崎高校(群馬県):「コメントのない野球日誌」
・向上高校(神奈川県):「人で勝つ野球日誌」
・四條畷高校(大阪府):「伝わり続ける一冊の野球ノート」
・静岡高校(静岡県):「心の火を灯し続ける日誌」
・松商学園高校(長野県):「ときを超える野球ノート」

○「野球ノートに書いた甲子園4
・日大鶴ヶ丘高校(西東京):「『言葉』で導く甲子園、107ヶ条の教え」
・いなべ総合高校(三重):「人間力で勝つ 連動する『メモ』・『ノート』」
・高松商業高校(香川):「『真の自主性』を培う、自分と会話する野球ノート」
・東海大甲府高校(山梨):「すべては背番号『1』のためにノートに綴った意識改革」
・仙台育英高校(宮城):「甲子園優勝より難しいことを果たすために」

○「野球ノートに書いた甲子園5
・作新学院高校(栃木県):甲子園覇者が武器にした言葉の力 「作新学院の2番」の重責
・報徳学園高校(兵庫県):大エースの再起と全員野球のために 唯一無二の「交換日記」
・英心高校(三重県):野球ノートがめくった歴史の1ページ 大敗と通信制高校の挑戦
・八王子高校(東京都):ありんこ軍団が貫くオリジナル野球 欠かせない「考える」野球ノート
・福岡大学附属大濠高校(福岡県):主将に胴上げを 監督と綴る「交換野球日記」
・北海高校(北海道):一喜一憂しないチームの礎 準優勝を導いた「野球ノート」

といった高校の野球ノートがそれぞれの巻で取り上げられている。