閉会式(第91回 センバツ)

 第91回 選抜高等学校野球大会が3月23日(土)から4月3日(水)まで、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開催されました。

 大会11日目(4月3日(水))は決勝が行われ、「習志野(千葉)0-6東邦(愛知)」となり、愛知の東邦が習志野に勝利し、選抜最多の5回目となる優勝に輝きました

 東邦は平成最初と最後を優勝で締めくくった形になりました。

 試合は12時32分に開始し、14時02分に終了。観客数約27,000人。

 閉会式前に優勝インタビューが行われました。

東邦の森田 泰弘監督

Q:優勝監督インタビューです。東邦高校、森田監督です。おめでとうございます。
A:ありがとうございます。

Q:30年ぶりの頂点です。今、どんな思いですか?
A:あの~、ホッとしたのと、先輩方が築かれてきた歴史があったので、何とかこの平成の最初の優勝を、最後の優勝、これを何が何でも私たちで成し遂げようということで、あのやってまいりました。それが出来上がってホッとしたのと、本当に嬉しいです。

Q:試合ではまず、石河選手の2本のホームランは大きかったですね。
A:試合の始まりに、石川に、今日は一人で投げて打ってやってくれと言ったんですけど、大したものですね、その通りやってくれました。

Q:投げては3安打完封でした。
A:甲子園に来て、ピッチャーとして大きく成長しちゃんじゃないかなっと思います。

Q:そして、バックも功守備、守備位置も非常に良かったですね。
A:そうですね。甲子園に練習通りというゲームが2試合目からやれるようになりまして、今日も落ち着いてできたんじゃないかなっと思います。

Q:改めて平成最初と最後の優勝校になりました。
A:ありがとうございます。また新しい時代に向けて、これを励みに、この経験をもとにまた新しい時代も頑張っていきます。

Q:おめでとうございました。
A:どうもありがとうございました。

東邦の石川 昂弥主将

Q:東邦高校、石川主将です。石川君が投げて打って優勝です。今の気持ちから聞かせてください。
A:もう、本当に新チームが始まった時から、甲子園で優勝するということを目標にやってきたので、今それが達成できて本当にうれしいです。

Q:この大一番で完封、2塁も踏ませませんでした。振り返っていかがでした?
A:もう本当に、最後は自分の力を出し切る限りだというふうに思っていたので、今日はそれができたと思います。

Q:バックの守り、マウンドからどう見てましたか?
A:自分はヒットだと思っていた当たりも取ってくれて、本当に感謝してます。

Q:打っては3本の長打、2本のホームラン、1本目打ったボール手ごたえ覚えてますか?
A:覚えてます。

Q:どんな感じでしたか?
A:もう打った瞬間はイッタと思いました。

Q:2本目はどうでしたか?
A:2本目は正直、イッタとは思わなかったです。

Q:でも、飛び込んでいきました。気持ちはどうでしたか?
A:入ってくれてよかったと思いました。

Q:ガッツポーズも1本目より長めでしたね。
A:はい。

Q:さぁ、石川君が引っ張ってきた東邦高校、ここまで今大会、戦いぶり、キャプテンとしてどう見てますか?
A:1試合1試合、積み重ねることに、みんなの自身もついてきて、本当に最初から最後まで自分たちの野球ができたと思います。

Q:では、最後にうかがいます。頂点に立って、眺めるこの甲子園の風景、いかがですか?
A:もう今は本当に夢のような時間です。

Q:おめでとうございました。
A:ありがとうございました。

 閉会式が始まり、優勝校の東邦と、準優勝校の習志野が、グラウンドへと入場しました。

八田 英二・大会審判委員長の講評

それでは、講評を行います。本大会は接戦が多かったことが印象的でした。延長戦は4試合あり、1点差が8試合ありました。特に、準々決勝は4試合のうち3試合が1点差ゲーム。準決勝はともに2点差と緊迫した試合の連続でした。最近は、打力有利の大会が続いていましたが、今年は春は投手力との言葉通り、しっかりした投手力を持つチームが競り合いを制して上位に進出しました。また、1回戦を勝ち上がった学校の半数が、2回戦では初戦とは違う投手を先発に起用しています。日本高等学校野球連盟が提唱してまいりました、1人の投手に頼らない、いわゆる複数投手制の考え方が浸透してきたのであれば、とてもうれしく思っております。平成最後の大会として、新しい令和の時代につながる大会となりました。今大会は、初出場が8校とフレッシュな顔ぶれが多かったことも特徴でした。接戦を勝ち抜き8強に進出した筑陽学園高校、強豪校に勝利した啓新高校が、この阪神甲子園球場に大きな足跡を残しました。負けはしたものの、勝利が目前だった石岡第一高校や、優勝した東邦高校相手に健闘した富岡西高校など、21世紀枠で選出された高校の戦いぶりも印象深く、それぞれの特色を存分に発揮してくれたと思います。そして、決勝を制した東邦高校のみなさん、30年ぶり、5回目の優勝、おめでとうございます。前回の優勝が平成元年の第61回で、今回の優勝で、平成の最初と最後の大会を制覇してことになります。好投手の石川君に、強力打線と、投打にバランスが良く、どの試合もチームの底力を感じさせました。習志野高校のみなさんも、素晴らしい準優勝でした。初優勝こそ、届きませんでしたが、相手に先攻されながらも、リリーフの飯塚投手らが失点を防ぎ、中盤以降に小刻みに加点をして、逆転勝ちにつなげる粘り強さは見事でした。まさに、今大会を象徴するチームの一つだと思います。私は高校野球の魅力について、開会式で、球児が純粋に白球を追うひたむきな姿勢、そして、試合ごとにたくましく成長していく姿だ、と申しました。みなさんは、この甲子園でたくましく成長しました。夏に向け、相手を敬う気持ちや、フェアプレーの精神を心に刻み、さらなる成長を目指してください。失敗とはつまづき転ぶことではありません。立ち上がらず、そこで歩みを止めることこそが失敗です。再び、立ち上がり、前に歩みを進める姿勢が挑戦で、それが人々に共感と感動を与えます。挑戦こそが、青春時代の特権です。最後になりますが、肌寒いスタンドで、連日、あたたかい声援を送っていただいたファンや応援団のみなさん、テレビなどで観戦された全国のファンの方々、ご声援を本当にありがとうございました。これで平成最後の選抜高校野球大会は幕を閉じますが、大会は新しい時代へと引き継がれてまいります。今後とも、高校野球を応援してくださいますよう、重ねてお願い申し上げ、講評といたします。ありがとうございました。

 表彰が行われました。東邦に優勝旗・優勝杯授与、習志野に準優勝旗授与が行われました。

 両チームに、優勝メダル、準優勝メダルが、一人ずつかけられていきました

 応援団賞の審査結果が発表され、応援団賞の授与が行われました。審査は出場32校の初戦の応援を対象に行われ、受賞校は最優秀賞1校、優秀賞5校が選ばれました。
● 最優秀賞:富岡西

アルプススタンドがスクールカラーのエンジ色のウエアと帽子でぎっしりと埋められました。応援や一打一打への大声援や拍手など満ちていました。大応援団のスムーズ誘導や待機時の様子などマナーの良さも評価されました。

● 優秀賞:習志野桐蔭学園東邦履正社米子東

 最後に、
丸山 昌弘・大会会長の閉会の挨拶

平成最後となる選抜の11日間にわたる熱戦が幕を閉じました。接戦が多く瀟洒とは医者が紙一重で分かれる、激しい戦いの中でも、高校生らしく最後まで諦めない姿勢が印象に残った大会でした。東邦高校の選手、応援団のみんさん、平成元年の61回大会となる30年ぶり5回目の優勝、おめでとうございます。平成最初の選抜の覇者が平成最後の優勝で締めくくったのは、見事というほかありません。1回戦から石川投手を中心とした固い守りと強力打線で勝ち進み、決勝戦も石川投手の2本のホームランを含め、最初から最後まで主導権をはなしませんでした。準優勝となりましたが、習志野高校も見事な戦いでした。2回戦以降は序盤に先制されながらも飯塚投手らがその後の失点を防ぎ、そして、終盤になってひっくり返す、その底力には見事なものがありました。個々の力を最後まで引っ張り出した、このチーム力がとても印象に残りました。今大会は春とはいいながらも、連日肌寒い日が続きましたが、ここ阪神甲子園球場には50万人近くの高校野球ファンのみなさんが足を運んでくださいました。平成という時代は、近現代において初めて戦争を経験しなかった時代でありましたが、同時に大災害の時代でもありました。阪神淡路大震災の直後は、観客数は30万人近くに落ち込みましたが、最近では50万人をこえることも珍しくなくなりました。思う存分、野球ができる、平和ということを心から噛み締めた時代だったと思います。この時代に感謝するとともに、平成最後の甲子園をこのように有終の美を飾ることができることに、みなさまと一緒に喜びたいと思います。最後になりましたが、この甲子園球場で声をからして最後まで応援をしてくださった観客、及び、応援団のみなさん、そして、テレビ、インターネットを通じて、応援をしてくださった全国の高校野球ファンのみなさん、そして、何より地元のみなさん、警察消防、甲子園球場、審判群のみなさんなど、大会を支えてくださった全ての人に心から感謝を申し上げます。今大会中に新しい元号が、令和と決まりました。平成から令和と時代は変わりましても、高校野球、選抜大会を変わりなく、みなさんのもとにお届けすることをお約束し、閉会の挨拶といたします。本当にありがとうございました。

 優勝した東邦の校旗、大会旗、国旗をこうのう。

 優勝した東邦、準優勝した習志野の選手たちが、球場の場内を一周して、閉会式が終わりました

 14時21分に開始し、14時59分に終了、観客数約15,000人。

(内容は違う場合があります)