取った取られたの乱打戦で、延長戦までもつれこんだ、第90回センバツ「創成館 – 智辯和歌山」(準々決勝)

 第90回記念 選抜高等学校野球大会が3月23日(金)から4月4日(水)まで、阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開催されました。

 今年は第90回の記念大会ということから、出場校が例年より4校多い36校が出場。

 4月1日(日)(大会10日目)の第2試合には、準々決勝創成館(長崎) – 智辯和歌山(和歌山)」の試合が行われました。
 創成館は先攻(一塁側)で4年ぶり3回目の出場。初戦の2回戦は下関国際(山口)に3 – 1 で勝利。3回戦は智辯学園(奈良)に5 – 3 で勝利。これまでの選抜大会では0勝2敗。全国高校野球選手権大会では1回出場し、1勝1敗。智辯和歌山は後攻(三塁側)で4年ぶり12回目の出場。初戦の2回戦は富山商(富山)に4 – 2 で勝利。3回戦は国学院栃木(栃木)に7 – 4で勝利。これまでの選抜大会では優勝1回、準優勝2回、21勝10敗、全国高校野球選手権大会では22回出場し、優勝2回、準優勝1回、36勝20敗。

 創成館の1回表は、先頭の峯選手がレフトヒットを打ち出塁(1塁)。続く藤選手はライトフライに倒れるものの、松山選手はデッドボールを受け、1アウトランナー1・2塁に。続く深見選手はライトヒットを放ち、1点先制(創 1 – 0 智)。1アウトランナー1・3塁の場面で、野口選手はフォアボールで1アウト満塁のチャンスに広がると、続く鳥飼選手はライトヒットを放ち、1点追加(創 2 – 0 智)。さらに、続く平松選手はフォアボールで押し出しの1点追加(創 3 – 0 智)。徳吉選手は三振、戸田選手はセンターフライに倒れ、チェンジ(創 3 – 0 智)。創成館が初回から3点先制する。

 先制点を奪われた智辯和歌山は1回裏、先頭の神先選手がセカンドゴロ、続く西川選手はサードゴロで2アウトに。林選手はフォアボールで出塁(1塁)。文元選手はデッドボールを受け、2アウトランナー1・2塁のチャンスになるが、続く冨田選手はレフトフライに倒れ、得点できず(創 3 – 0 智)

創成館がリードする

 2回表の創成館は、先頭の峯選手がデッドボールを受け1塁に出塁すると、続く藤選手は送りバントを決め、1アウトランナー2塁のチャンスをつくる。松山選手は三振に倒れ、深見選手はセカンドゴロに倒れ、得点できず(創 3 – 0 智)
 2回裏の智辯和歌山は、先頭の黒川選手がレフトへのホームランを放ち、1点返す(創 3 – 1 智)。根来選手は三振、東妻選手はピッチャーゴロと2アウトになるが、小堀選手はセンターヒットで1塁に出塁。しかし、神先選手はセンターフライで、チェンジ(創 3 – 1 智)。智辯和歌山が1点返す。

 創成館の3回表は、野口選手がライトヒットで出塁(1塁)すると、続く鳥飼選手は送りバントを決め、1アウトランナー2塁のチャンスをつくる。平松選手はレフトへの2塁打を放ち、1点追加(創 4 – 1 智)。2塁ランナーが3塁に盗塁するも失敗し、2アウトに。徳吉選手はフォアボールで2アウトランナー1塁に。ここで智辯和歌山のピッチャー、池田投手に交代。戸田選手はセンターヒットで2アウトランナー1・3塁のチャンスに広げる。しかし、峯選手はセンターフライに倒れ、チェンジ(創 4 – 1 智)。創成館が1点突き放す。

 突き放された智辯和歌山の3回裏は、先頭の西川選手はライトフライに倒れ1アウトになるが、続く林選手はレフトへホームランを放ち、1点返す(創 4 – 2 智)。文元選手はショートゴロ、冨田選手はレフトヒットで出塁(1塁)、黒川選手はセカンドゴロに倒れ、チェンジ(創 4 – 2 智)。智辯和歌山が再び2点差に迫る。

 4回表の創成館は、先頭の藤選手はレフトフライに倒れるものの、続く松山選手はライトへ2塁打を放ち、1アウトランナー2塁のチャンスをつくる。深見選手は三振に倒れるが、野口選手はヒットを放ち、1点追加(創 5 – 2 智)。鳥飼選手はファーストゴロに倒れ、チェンジ(創 5 – 2 智)。再び、3点差にする創成館。

 4回裏の智辯和歌山。創成館はピッチャーを伊藤投手に交代すると、先頭の根来選手をフォアボールで1塁に出塁させるが、続く東妻選手でダブルプレーを取り、池田選手を三振に抑え、チェンジ(創 5 – 2 智)

突き放す創成館

 創成館の5回表は、先頭の平松選手はレフトヒットで出塁(1塁)すると、さらに徳吉選手はバントで、0アウトランナー1・2塁のチャンスに。伊藤選手は送りバントを決め、1アウトランナー2・3塁のチャンスに広げる。続く峯選手はサードゴロを打ち、その間に1点追加(創 6 – 2 智)。藤選手はファールフライに倒れ、2アウトランナー1・3塁のまま。続く松山選手はセンターヒットを放ち、さらに1点追加(創 7 – 2 智)。深見選手は三振で、チェンジ(創 7 – 2 智)。創成館が一気に突き放して、5点差に広げた。

 突き放され苦しい展開になった智辯和歌山は5回裏、先頭の神先選手がフォアボールで1塁に出塁。続く西川選手はセンターヒットを打ち、ランナー1・2塁のチャンスに。さらに、林選手はセンターヒットで0アウト満塁のチャンスに。文元選手はサードゴロに倒れるが、その間に1点返す(創 7 – 3 智)。冨田選手はフォアボールで1アウト満塁に。続く黒川選手はフォアボールで押し出しの1点(創 7 – 4 智)。ここで創成館のピッチャー、川原投手に交代するも、根来選手にレフトヒットを打たれ、1点返される(創 7 – 5 智)。さらに1アウト満塁の場面で、東妻選手にライトへの犠牲フライを打たれ、1点返される(創 7 – 6 智)。代打・本多選手はサードゴロに倒れ、チェンジ(創 7 – 6 智)。智辯和歌山が1点差に詰め寄る。

 創成館の6回表。智辯和歌山のピッチャー、平田投手に交代。先頭の野口選手はライトヒットで出塁(1塁)。続く鳥飼選手はショートゴロに倒れるも、1アウト2塁のチャンスに。平松選手は内野安打で1アウトランナー1・2塁に。しかし、徳吉選手は三振、川原選手はショートゴロに倒れ、得点できず(創 7 – 6 智)
 智辯和歌山の6回裏は、神先選手が三振に倒れるも、続く西川選手はライトヒットで1塁に出塁。しかし、林選手はセンターフライ、文元選手はセンターフライに倒れ、チェンジ(創 7 – 6 智)

智辯和歌山の反撃に

 7回表の創成館は、先頭の峯選手が内野安打で出塁(1塁)。続く藤選手はレフトヒットでランナー1・2塁のチャンスに。松山選手はファーストゴロに倒れるも、1アウト2・3塁に。深見選手は三振になるが、続く野口選手がセンターヒットで2点追加(創 9 – 6 智)。1塁ランナーが2塁へ盗塁。鳥飼選手はセカンドフライに倒れ、チェンジ(創 9 – 6 智)。再び、創成館が突き放す。

 7回裏の智辯和歌山は、先頭の冨田選手がセンターヒットを打ち、0アウトランナー1塁に。黒川選手は三振、根来選手はショートゴロに倒れ、2アウトランナー2塁に。続く東妻選手はレフトヒットを放ち、1点返す(創 9 – 7 智)。平田選手はセカンドフライに倒れ、チェンジ(創 9 – 7 智)。智辯和歌山が2点差に迫る。

 創成館の8回表は、サードゴロ、ファールフライ、三振と三者凡退に倒れる(創 9 – 7 智)
 智辯和歌山の8回裏は、先頭の神先選手がセンターヒットを打ち出塁(1塁)。しかし、西川選手でダブルプレーに抑えられ、林選手は三振に倒れ、チェンジ(創 9 – 7 智)

 9回表の創成館は、先頭の峯選手がサードゴロに倒れ、続く杉原選手はショートゴロ、松山選手は三振に倒れ、三者凡退に(創 9 – 7 智)
 同点に追いつかなければ負けが決定する智辯和歌山の9回裏は、先頭の文元選手がレフトヒットで出塁(1塁)。続く冨田選手は三振に倒れるものの、ワイルドピッチで1アウトランナー2塁に。黒川選手はフォアボールで1アウトランナー1・2塁のチャンスに。根来選手はピッチャーゴロに倒れ、2アウトに。東妻選手はフォアボールで2アウト満塁のチャンスに。続く平田選手はレフトヒットを放ち、同点に追いつく(創 9 – 9 智)。ここで創成館のピッチャー、酒井投手に交代すると、神先選手を三振に抑え、チェンジ(創 9 – 9 智)。土壇場になって、智辯和歌山が同点に追いつき、延長戦に

 同点に追いつかれた創成館の10回表は、先頭の代打・松浪選手がセンターフライ、野口選手は内野安打で出塁(1塁)すると、2塁に盗塁し、悪送球もあり3塁のチャンスに。続く鳥飼選手はレフトへの犠牲フライを打ち、1点入れる(創 10 – 9 智)。平松選手は三振に倒れ、チェンジ(創 10 – 9 智)。創成館が貴重な1点を入れる。

 1点入れなければ負けが決定する智辯和歌山は10回裏、先頭の西川選手がデッドボールを受け出塁(1塁)。続く林選手は三振、文元選手はピッチャーゴロで2アウトランナー2塁。冨田選手はフォアボールで2アウトランナー1・2塁に。続く黒川選手は2塁打を放ち、2点入れ、試合終了(創 10 – 11 智)。智辯和歌山が土壇場でサヨナラの逆転という幕切れ。
(創=創成館、智=智辯和歌山)

 智辯和歌山が11 – 10 で創成館に勝利しました。

 前半は創成館が攻撃の流れだったが、智辯和歌山の迫る展開の乱打戦となった。突き放す創成館に、追い上げる智辯和歌山。そして、土壇場で同点に追いつき、延長に逆転するという劇的な幕切れとなりました。

 一塁側の創成館の応援は、華やかなリズムと雰囲気。三塁側の智辯和歌山の応援は、ジョックロックもよかったですが、新曲ミラクルショットが今回の逆転劇に一役買いました。。

 試合の合間には、内野の電光掲示板に各校への応援メッセージが紹介されていました。
・創成館への応援メッセージ:「神宮大会では、準優勝だったので、優勝してください」「全力プレーで勝利を!」「勝ってください!」「優勝目指して頑張ってください」「創成館高校優勝旗をお願いします!」「創成館頑張れ!勝って!!」「サヨナラホームラン感動しました!今日も勝ってください!」「頑張れ!打ちまくれ!!創成館勝てますように!」「球場で応援してまーす!頑張れー!」「創成館を見て野球を続ける勇気をもらってます!がんばれ創成館」「創成館頑張れ!!遠くから応援してます!!」「試合前のキビキビとした動きにファンになりました!ガンバレ!」「創成館頑張れ!勝って!!
・智辯和歌山への応援メッセージ:「優勝まであと3勝!頑張れ」「智弁打線の底力 甲子園に刻んでください!」「いつも夜遅くまで練習お疲れ様です。全力プレーで頑張れ」「ジョックロックに乗って勝利を!」「強打で打ち勝って下さい!」「私が1年生の間に優勝を見せて下さい!アルプスから応援してます」「優勝目指して頑張ってください!応援席で応援してます!」「打て打て智辯」「智辯頑張って下さい」「猛打で敵を潰して下さい」「智辯らしく全国制覇目指して頑張って下さい!」「智辯旋風を巻き起こせ!全国制覇へ」「頑張れ智辯!甲子園で応援してます!

 11時01分に始まり、13時48分に試合終了。観客数は41,000人。