第90回記念選抜高校野球の出場校はどんなチーム?~中国、四国~

 3月23日(金)から4月4日(水)まで阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で、「第90回記念 選抜高等学校野球大会」が始まっています。
 大会は既に始まっていますが、大会観戦の参考になればと、出場36校中の中国、四国のチームについてをおおまかにまとめてみました。

おかやま山陽(岡山:中国):昨秋は中国大会で初優勝。2季連続の甲子園。中国大会の全4試合で2桁安打の強力打線。中国大会は計33得点。秋の公式戦のチーム打率は383。上位下位とも振りが鋭く、どこからでも得点できる能力がある。打線の中心は昨夏も3、4番を担った森下選手、井元選手。森下選手は左右に打ち分けるミート力があり、チームトップの高校通算10本塁打と長打力も備える。井元選手は4割近い打率で確実性が高く、チームトップの8盗塁と足もある。昨秋は公式戦12試合で15失策。エラーは内野陣4人が3個ずつ。
(私立。初出場。1924年に生石高等女学校として創立。野球部は49年創部)

瀬戸内(岡山:中国):チーム全体では投手中心の守り勝つ野球。守備も昨秋の公式戦11試合で9失策と堅い。エース右腕の浴本投手は防御率1.24と安定感がある。チームは県大会5試合、中国大会3試合で67得点、29失点。切れ目のない打線で塁を埋め、クリーンアップの長打と集中力で得点を重ねる。チーム打率は319。門叶選手は、中国大会初戦で1イニング2本塁打を含む4本塁打、高校通算本塁打も20本を超える。公式戦11試合で計8失策。
(私立。27年ぶり3回目の出場。小学校教員養成を目的に1901年創立。野球部創部は1918年で、夏の甲子園は過去に2回出場)

下関国際(山口:中国):県大会優勝、中国大会を準優勝。投手は右本格派の鶴田投手が大黒柱。秋の与四死球率は1.37で30回以上投げた出場投手の中で最少と抜群の制球力を誇る。秋の時点の時点で最速141キロの球威も持つ。チームは昨秋は県大会6試合で60得点、中国大会4試合で32得点。チーム打率は343。積極的な走塁も強み。秋は10試合で21盗塁。犠打は12個と少なく、中国大会4試合でも1個のみ。中国大会4試合で送りバントはわずか1。だが、1試合の平均得点は8と多かった。秋の10試合で6失策。
(私立。初出場。1964年下関電子工高として開校。野球部は65年に創部され、昨年夏に春夏通じて甲子園初出場)

英明(香川:四国):県大会優勝、四国大会を準優勝。1点を守り抜いた2試合を含め、昨秋挙げた公式戦7勝のうち6勝は3点差以内。投手力を軸に接戦をものにする。秋の公式戦のチーム打率は279。打線は上位から下位まで切れ目がなく、ここ一番の勝負強さが武器。守り勝つ野球ができる。昨秋公式戦の盗塁数は加藤選手の1個のみ。記録に残るエラーは8試合で8個。
(私立。3年ぶり2回目の出場。1917年に明善高等女学校として創立。夏の甲子園は10年に初出場し、11年に初勝利)

松山聖陵(愛媛:四国):県大会優勝。四国大会4強。エース右腕の土居投手を中心としたチーム。土居投手の持ち味は188センチの長身から投げ下ろす角度のある速球。最速144キロを誇り、打者の手元で微妙に変化する時もあって打ちにくい。カーブ、チェンジアップで緩急もつけられる。昨秋の公式戦は7試合をほぼ1人で投げ抜いたが、60イニングで被安打30に対し与四死球が45。昨秋のチーム打率は295。本塁打0で破壊力はないものの、機動力をうまく絡めて点を奪うのが持ち味。秋の公式戦、7試合で38四死球12盗塁19犠打と着実に出塁し計32得点に結びつけた。長打14本、0本塁打。チームの守備は7試合で14失策。昨秋公式戦は7試合14失策。
(私立。初出場。1961年に開校。野球部は70年に創部された。夏の甲子園は1回出場。甲子園は2016年夏、なる夏通じて初出場)

高知(高知:四国):高知大会準優勝。エース右腕の中屋投手は130キロ中盤の直球にカットボールなどの変化球を織り交ぜる。防御率0.72。秋までの最速は135キロだった。昨秋は公式戦6試合でチーム打率304。56安打を放った一方で、2塁打8、三塁打6、本塁打0。昨秋の公式戦での失策は1試合平均0.5。
(私立。5年ぶり18回目の出場。1899年江陽学舎として創立。野球部は1926年に創部。甲子園にはこれまで夏13回、春17回出場しており、64年夏と75年春に優勝)

明徳義塾(高知:四国):四国大会優勝、36年ぶりに明治神宮大会を優勝。2015年夏から6季連続出場。昨秋の公式戦で唯一の無敗チーム。市川投手は、昨秋の公式戦は10完投し、4試合が完封。防御率は1.35と抜群の安定感。右横手から繰り出す最速145キロの直球は打ちづらく、スライダー、スプリットで内外角に散らす。昨秋の公式戦はチーム打率352。神宮大会でも3試合連続2桁安打で同じく352。どの打順からでもチャンスメークできることが強み。昨秋10試合で9失策。
(私立。3年連続18回目の出場。1976年創立の中高一貫校で、野球部も同年に創部。夏の甲子園は19回出場で優勝1回。甲子園で通算勝利数歴代5位の49勝を挙げている馬淵監督)