第90回 記念選抜高校野球大会の出場校の選考経緯

 第90回 記念選抜高等学校野球大会の出場校が1月26日(金)、発表された。その出場校が選ばれた経緯は以下の通り。

・北海道:駒大苫小牧(北海道)4年ぶり4回目:4試合全て2桁安打。決勝で逆転本塁打を放った舞原を中心にどの打順からでも得点に繋げる打線が評価
・東北:花巻東(岩手)6年ぶり3回目:粘り強い試合運びが支持された。投手陣は、1年生右腕の西舘が東北大会で台頭。速球の伸びや変化球の切れに将来性を感じさせる素材
・東北:日大山形(山形)36年ぶり4回目:仙台育英や酒田南の県1位校をいずれも無失点に抑えて4強入りした。右腕・佐藤洸は内外角をしっかり投げ分ける投球ができ、安定感も光る
・東北:聖光学院(福島)5年ぶり5回目:投打に高い評価を受けた。右腕の衛藤は全4試合に登板し、防御率1.29。まとまりのある投球が持ち味だ。4試合で44得点を挙げた打線は、矢吹、五味、須田の中軸が引っ張る
・関東・東京:明秀日立(茨城)初出場:関東大会で全試合に登板した本格派右腕・細川の投球が際立った
・関東・東京:国学院栃木(栃木)18年ぶり4回目:栃木大会から3投手の継投で勝ち上がり1試合平均の失点が1点台と投手力の安定する
・関東・東京:中央学院(千葉)初出場:エースで4番の大谷の活躍に主将・池田の好リード、そつなく得点を挙げる攻撃力が高く評価
・関東・東京:日大三(東京)2年連続20回目:東京大会6試合中4試合でコールド勝ちし、強力打線を武器に優勝
・関東・東京:慶応(神奈川)9年ぶり9回目:左腕・生井を擁する
・関東・東京:東海大相模(神奈川7年ぶり10回目:強打
・北信越:日本航空石川(石川)初出場:昨夏の甲子園経験者を中心に投打のバランスの良さが評価された。左右の3投手が4試合で計3失点と安定し、下位まで振りが鋭い打線は長打力があり勝負強い
・北信越:星稜(石川)13年ぶり12回目:先発した全4試合のうち2完封した最速146キロの1年生右腕・奥川の活躍に期待する声が多かった
・北信越:富山商(富山)9年ぶり6回目:総合力の高さで富山商が選ばれた。エース右腕・沢田は制球が良く、4番・石橋を軸に好機に畳み掛ける打線も評価が高かった
・東海:静岡(静岡)2年連続17回目:右腕・春は打たせて取る投球で、打線は積極性と犠打を絡めた繋ぐ野球が光る
・東海:東邦(愛知)2年ぶり29回目:強力打線が持ち味で、1年生の4番・石川はパンチ力と勝負強さを兼ね備える
・東海:三重(三重)4年ぶり13回目:2回戦で1安打完封を演じた右横手・福田の巧みな投球術や、準決勝で接戦だったことが評価
・近畿:近江(滋賀)3年ぶり5回目:林、金城のタイプの異なる2投手を1年の有馬が好リードした
・近畿:彦根東(滋賀)9年ぶり4回目:昨夏の甲子園で完投した左腕・増居に安定感がある
・近畿:乙訓(京都)初出場:富山、川畑の左右のエースに完投能力があり、攻撃も多彩だった
・近畿:智辯学園(奈良)3年連続12回目:エース左腕・伊原を鍛え上げられた守備で支えた
・近畿:智辯和歌山(和歌山)4年ぶり12回目:黒川、文元、冨田の主軸が本塁打を放ち、力強い打線が高く評価された
・近畿:大阪桐蔭(大阪)4年連続10回目:3投手が4試合をそれぞれ完投し、計1失点と群を抜く投手層の厚さで、藤原、根尾らの打線も全国レベルとされた
・中国:おかやま山陽(岡山)初出場:中国大会の全4試合で2桁安打を放った強力打線
・中国:瀬戸内(広島)27年ぶり3回目:準決勝では尾道が下関国際に0-7で八回コールド負けだったのに対し、瀬戸内はおかやま山陽と4-7で、準決勝の試合内容や総合力で瀬戸内に軍配が上がった
・中国:下関国際(山口)初出場:エース右腕で4番の鶴田を軸に守備、走塁も鍛えられていると評価された
・四国:英明(香川)3年ぶり2回目:バランスの良さ
・四国:松山聖陵(愛媛)初出場:準決勝で明徳義塾と接戦を演じた
・四国:高知(高知)5年ぶり18回目:準優勝した英明に2回戦で7-8と善戦。準決勝で英明にコールド負けした高松商より総合力で上回っていると判断
・四国:明徳義塾(高知)3年連続18回目:最速140キロ超の市川が安定感
・九州:東筑(福岡)20年ぶり3回目:昨夏の甲子園を経験した右横手のエース・石田のテンポの良い投球が評価
・九州:創成館(長崎)4年ぶり3回目:他を圧倒していたとして選出された。エース左腕・川原が全4試合を投げ、防御率0.78と安定。明治神宮大会では右腕・伊藤や左腕・七俵らの好投で準優勝し、投手層の厚さを見せつけた
・九州:延岡学園(宮﨑)12年ぶり3回目:エース右腕・上野が投打にわたって活躍し、4番・小幡らに長打力があった
・九州:富島(宮﨑)初出場:2番で主将の中川が打率5割8分8厘とバットでチームをけん引。エース右腕・黒木将の制球力も光った
(・ブロック:高校(都道府県)出場回数:選考経緯)

【21世紀枠】
・東日本:由利工(秋田)初出場:統廃合が検討される中で、全校生徒の2割近くを占める野球部員が中心となって学校改革に取り組んだこと
・西日本:膳所(滋賀)59年ぶり4回目:少年野球大会の審判を部員がボランティアで行って野球の底辺拡大に取り組んでおり、地域の期待も大きい点などが共感を呼んだ
伊万里(佐賀)初出場:文武両道を実践していることに加え、データ管理を担当する女子部員を置いていることが、女子生徒がマネジャーだけでない形で野球に関われることを示している
(・高校(都道府県)出場回数:選考経緯)

 以上の内容が選考経緯になった。

 それぞれの出場校は、それぞれの野球への取り組み、野球を通じて取り組みの結果、センバツに出場することになった。それらの成果が上記の選考経緯からも分かるだろう。
 野球への取り組みの努力、そして、野球を通じて社会との繋がる取り組みなど、様々な取り組みが野球を通じて、そして、野球から繋がって、努力が形へとなった。センバツに選ばれなかった高校も様々な取り組みを行っているだろう。次の大会、そして、夏にも繋がるため、まだまだ可能性は大きい。

 今大会は90回と記念大会で、例年より4校増の36校が出場する。選考経緯はそれぞれの高校の持ち味も挙げられているため、試合を楽しむポイントにもなるだろう。